鼻呼吸に矯正することで病は治る
5分も止まれば死んでしまう、生命維持にとっていちばん重要な行為、呼吸。それなのに、あまりに当たり前に行っていて、自分で意識することはほとんどない。もし知らず知らずのうちに疎かになっていたとしたら?「実は、間違った呼吸をしている人はけっこう多いんです。つまり、鼻呼吸ができず、口呼吸をしている。それが免疫力を低下させる元凶なんです」と警鐘を鳴らす。「呼吸はいわゆる免疫力に直結します。というのも、呼吸によって得た酸素が体内をめぐり、細胞を生まれ変わらせるエネルギーのもとになっているから。まさに、健康は呼吸で決まる! 誤った呼吸は正してください」
口で呼吸が可能なのは、哺乳動物では1歳以降の人間だけなのだとか。「鼻孔と気管が直接つながっているのが哺乳動物の基本形。人間は言葉を話すようになったため、口も気道化したんです。これは人体の、もっとも大きな構造欠陥といっていい」
離乳期に口呼吸のクセがついてしまい、大人になっても鼻呼吸できず口で呼吸している人が、日本人にはとくに多いという。
「チェックしようと意識すれば、唇は閉じるもの。リラックスしているときや何かに集中しているときに口が半開きになっていないか、誰かに観察してもらうとよいでしよう」
鼻呼吸をしていれば、鼻がフィルターの役割を果たすので、空気中のホコリやパイ菌は取り除かれ、ほとんど体内に入ることはない。「でも、口にはフィルター装置はありませんし、鼻のように空気を温めたり、湿り気を与える機能もない。そのため口呼吸ではパイ菌が容易に侵入し、血液にのって体中にばらまかれることに。なかには、せっかく取り込んだ酸素を食べてしまう菌もいて、細胞に十分な酸素が行きわたらなくなる危険も。細胞のなかのミトコンドリアが正常に機能しなくなれば、エネルギーがつくれず、低体温などさまざまな弊害が出てきます」
口呼吸で体が冷えると、それにともなって腸も冷え、多くのトラブルの原因に。「冷たいものばかり飲んだり食べたりすることも、同様の理由でNG。腸の機能そのものが乱れると、かゆみ物質のヒスタミンなど有害物質ができてしまうこともあるんです」。さらに、老廃物や毒素が溜まりやすくなり、肌荒れや肥満といった悩みも浮上。「また、泌尿器や生殖器も呼吸器の一部といえるため、侵入したパイ菌に侵される心配も」
とにかく口を閉じること!「口呼吸とワンセットで考えるべき悪癖に、寝相の悪さと片噛みがあります。うつぶせや横向きで寝ると、寝具に押しつけた鼻の奥の粘膜がうっ血してふさがってしまうので、鼻呼吸ができなくなる。柔らかくて低い枕を使うなど工夫し、仰向けで寝ることが大切です。鼻孔拡大装置をつけたり、口に紙テープを貼るよう指導することも。また、食事中は姿勢を正して歯を均等に使い、噛むことに集中して。クチャクチャ音がするのは、食べながら口呼吸している証拠。正しい食事の作法はそのまま、鼻呼吸の基本なんですよ」
健康によいといわれる腹式呼吸。「でも、そのやり方には誤解が多いんです。お腹を膨らませても肺にたくさん空気か入ることにはならない。本当の腹式呼吸は、鼻から吸って鼻から吐ぐ横隔膜呼吸"でなければ。仕事の合間などには、たびたび意識して横隔膜を動かして、肺にたっぷり空気を入れましょう」